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2禅

 

禅とは

 禅とは、禅についての概念ではありません。禅とは実物自体のことをいいます。実物自体とは「ニャー」とあると「ニャー」となる「ニャー」自体のことです。思考の中で再現するニャーの方ではありません。「ワン」とあれば「ワン」自体のことです。「おはよう」とあれば「おはよう」自体の事です。「〇」に目が向くと「〇」になる「〇」自体のことです。何かに触れると触れた感触と呼ばれているそれ自体のことです。お塩が舌に触れるとなる「しょっぱさ」自体のことです。鼻が痒ければ、「痒さ」自体のことです。「お腹すいたなぁ」と思うと「お腹すいたなぁ」自体のことです。「悲しいなぁ」と感じると「悲しいなぁ」自体のことです。

 

 今、正師に会い、夏の摂心の提唱で「丸柱」に向かうと「丸柱」と聞いたことを思い出しました。丸柱ってお寺の本堂にある太い円柱の柱のことです。

 以上のように、人は、自分で何らかの努力をすることなく「ニャー」とあると「ニャー」となるように成っています。そして、実物自体は、必ず今の実物自体のみになるように成っています。

 内容を読み理解するだけですと、実物自体を知ることなく、理解になってしまいますので、ぜひ実際に以下をしてみてください。実際にすると、理解ではなく実物として知ることができます。「あ」と言ってみてください。「あ」と言うと「あ」です。「あ」のみに成っています。「い」と言ってみてください。「い」と言うと「い」です。「い」と言うと「い」のみに成っています。「う」と言ってみてください。「う」と言うと「う」のみに成っています。前を向くと「前の風景自体」になり、右を向くと「右の風景自体」になります。思いと名前を付けているものも「お腹すいた」と思うと「お腹すいた」に成っています。「何か食べようかな」と思うと「何か食べようかな」のみに成っています。「悟りって何」と思うと「悟りって何」と成っています。「坐禅って何」と思うと「坐禅って何」と成っています。このように成るようにできています。

 

 実物は今の内容「え」の時は「え」ですので、思いが連続している、思いが繰り返されるというのは実物自体ではなく、記憶ということがわかります。記憶も今思っている記憶と呼ばれている内容(昨日の天気は雨だったなぁ)のみです。推測(明日の天気は晴れみたい)も、今している推測内容のみになっています。

 

 このように、実物自体は必ず確実に今の実物自体のみに成ってしまいますので法則です。なので、法(=仏法、道、脱落)と呼んだりします。道元さまは普勧坐禅儀」の冒頭で、「同本円通」=本来道しかないですよ、つまり道の上での修行ですよ、と言っています。なので、習禅することなかれとも言っています。これから何かを学び覚えてするようなことではないですと言ってくれています。

 

 見ようとしなくても見えます。聞こうとしなくても聞こえます。思おうとせず思えます。このようになっています。また、「お」は「お」なので、「お」について考えで論理的に納得することではありません。したがって、知識をたくさん得て、「ニャー」についてわかることでもありません。ですので、禅についての知識をたくさん得て理解を重ねていく必要はありません。むしろこのようなことをすればするほど、わかったりわからなかったりをつくることになり、必要のない苦労をすることになります。

 

 いつの間にか実物が概念になっているのでご注意を…

禅とは、「☆」とある時の「☆」自体なのですが、例えば、全て今の実物しかないとか、いつでも今の実物しかないとか、全ては変化しているとか、のように、知らぬ間に実物についての統一的な見解(概念)の方を実物と思ってしまっていることがあります。実物「☆彡」は「☆彡」で、統一的な見解(概念)ではありません。知らぬ間に、見解の方を重視してしまうと、坐っている時に、例えば、全ては今の実物なんだなぁ、などと見解で眺めるようになってしまうので、ご注意ください。

 

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