独参の必要性
-
独参とは、指導者に個別に質問したり、修行ができているかを確認することです。
-
坐ることができるようになるためには、坐ることと独参することが一番の近道です。
-
独参の重要な役割として、修行をされている方が気付かずにいる思い込みや坐り方の誤りを確認し、指摘することがあります。例えば、世間一般では「目標を思い描き、必要な行動を行い、行動結果を評価する」を繰り返して、目標を達成することが推奨されているため、修行にもこの目標達成モデルを適用してしまう方がほとんどです。しかし、「修行」とはすでにそうである事実どおりでいること、「悟り」とはすでにそうである事実どおりを悟ることです。ですから、目標達成モデルは不要であり、修行の妨げになります。しかし、このモデルは現代に生きる私たちの身に染み付いているため、この目標達成モデルを知らず識らずのうちに修行にも適用してしまっていることに、自分では気付けない場合が多くあります。ですから独参を活用して、自分が気付かないうちに修行の妨げになっている行為をしていないか確認することが重要です。
-
上記の理由から、すべての方に定期的な独参をお勧めします。坐り方がまだわからない、あるいは坐れているか自信がない方はもちろん、坐れていると思っている方も定期的に独参して、本当に有効な修行ができているか確認することをお勧めします。
-
質問する内容や確認する内容がないときや、わからないときは、そうお伝えください。坐っている時の内容などをこちらから質問して確認します。
-
独参では、思っていることを率直にお話しされることが有効です。言葉にしない内容や、婉曲な表現があると、確認できなくなります。
-
過去に悟り体験、または、悟りに「近い」体験や「気付き」などがあったと思われる方は、それが何であったかを独参で確認されることをお勧めします。傾向として、そういう体験や気付きがあった方は、知らず識らずのうちにそれらを基準にして考えてしまうことがあります。これは、修行のあり方を理解し、本当に坐ることの妨げになります。最短で確実に悟るために独参を活用してください。
◀︎前へ:坐禅(修行)の仕方
▶︎次へ:参禅記
